「東京アロエ」の自社運営農場をご紹介
東京アロエの自社アロエ農園があるのは、温泉地として有名な静岡県伊東市。年間を通して晴天の日が多く、冬でも氷点下になることは滅多にない温暖なリゾート地です。
化粧品メーカーである東京アロエが、JR伊東線の宇佐美駅から徒歩圏内という好立地に300坪もの自社農園を構えたのは1962年のこと。ここでは毎年約10トンのキダチアロエとアロエベラが栽培され、化粧品やサプリメントの原料に使用されています。周りは閑静な住宅街で、高層の建物がないため日当たりも良好。暖かい気候と日光を好むアロエにとって、この地は良質のアロエを栽培するのにうってつけの場所です。

南国をイメージさせる伊東市の海岸沿い
アロエ農園がある場所は、海と山の自然に恵まれた名水の地
伊豆半島は、湧き水や名水に恵まれ、全国でも有数のわさびの産地としても知られています。豊富な水量と清流を好むわさびの栽培に適した土地が、アロエなどの数多くの農産物を育てるのにも適しているのは当然と言えるでしょう。
また、自然に恵まれた伊豆半島は、海も山も同時に楽しめる人気の観光地です。伊豆農園から数分歩けば宇佐美海水浴場。夏になると1.5kmも続く遠浅のロングビーチを目指して、多くの海水浴客が訪れます。

宇佐美海水浴場
一方、海を背に、県道伊東大仁線を数キロ移動すると、標高451mの亀石峠があります。ツーリングの名所としても有名なこの峠は、眼下に宇佐美の街並みと相模湾が広がり、さらに伊東市街まで見渡すことができます。運が良ければ初島さらに大島まで望むことができるビュースポットです。

伊豆半島を縦断する伊豆スカイライン亀石峠IC
伊豆といったら、温泉もはずせません。東京アロエ伊豆農園の近くには、人気の観光スポット、道の駅伊豆マリンタウンがあり、海が見える日帰り入浴や足湯をはじめ、遊覧船やマリーナなど海沿いならではのレジャーも楽しむことができます。澄んだ空気の中で、富士山を眺めながら、海と山の幸を一度に味わう。そんな贅沢もここでは当たり前にできる環境なのです。

伊東マリンタウンのヨットハーバー
自社農園では有機栽培にこだわり「専用井戸の天然水」を使用している
今回、東京アロエの自社農園を案内してくれたのは伊豆営業所所長の福島保雄さん。ここではキダチアロエとアロエベラを栽培しており、収穫された2種類のアロエは、化粧品とサプリメントの原料として用いられています。

東京アロエ 伊豆営業所
所長 福島保雄
東京アロエの伊豆農園は、有機JAS認証を受けているオーガニック農園です。日本では有機またはオーガニックと標榜するためには、大変な時間と手間がかかります。
化学合成された農薬や肥料を使用しないなど厳しい基準をクリアすることはもちろん、認証を受けた後も、年1回第三者機関による調査があり、条件を満たしていると認められた場合のみ標榜することができるのです。

住宅街の一角にある東京アロエ伊豆農園
さらに、東京アロエ伊豆農園は、アロエ栽培専用の井戸を掘り、汲み上げた天然水を使用するほど水にもこだわっているのが特長です。農園がある伊東市は、水資源に恵まれ水道水もおいしいと好評です。農園のそばを流れる川は、鮎が泳いているほど澄んでいます。
しかし、「ここで育てているアロエは化粧品や健康食品の原料になるものです。本当によいものを育てるため、水道水や川の水などをあえて使用せず、専用の井戸から地下水を汲み上げています」と福島さん。アロエは90%以上が水分で構成されているため、良質なアロエを育てるには、良質な水を使うことが重要と考えているそうです。

天然水を十二分に与えて育つアロエ
農園の周りには、今では希少となった在来種のニホンミツバチが生息し、毎年11月になると、アロエの花の蜜を求めて集まります。アロエの生育に適したこの環境は、野生のミツバチなど昆虫にとっても過ごしやすい場所なのです。

アロエの葉の蜜を求めて集まるニホンミツバチ
アロエの栽培から化粧品・健康食品製造まで一貫して自社管理にこだわる
農園周辺は、冬でも氷点下になることは滅多にありませんが、アロエは最低気温が10度を下回ると生育が鈍くなるため、ハウス栽培をしています。

アロエの花は葉肉の成長を妨げるためカットする
アロエは、南アフリカ共和国からアラビア半島まで幅広い地域に分布するアロエ属の多肉植物です。もともと熱帯から亜熱帯の植物であるアロエは、乾燥に強く温かい気候を好みます。そのためアロエにとって寒さは大敵。日本では冬になると氷点下になる地域が多いですが、氷点下になると地面が凍り、根から水分を吸収できなくなります。さらに、アロエは、葉の内側にある果肉のほとんどが水分であるため、氷点下の気候にさらされるとアロエ自体が凍ってしまうのです。
アロエは、株分けをして育てる植物です。通常4月から5月に苗木を植えます。アロエは、栽培に手間がかからない植物ですが、ここでは高品質のアロエを育てるため、細心の注意を払っています。与える水は専用井戸から汲み上げた天然水を使い、肥料はもちろん有機のもののみ。農薬を一切使わないため、人の手による雑草取りも欠かせません。炎天下が続く真夏も、ハウス内では毎日念入りな世話が行われているのです。
こうして多くの手間と愛情を注がれたアロエは、植え付けから8カ月ぐらいで50cmほどの大きさに成長し、収穫ができる状態になります。緑色が濃く肉厚なアロエの葉は、栄養たっぷりで有用成分も豊富。収穫するときも、葉を傷つけないように、ベテランのスタッフが1枚ずつ丁寧に手で摘み取っています。

アロエの収穫
しかし、アロエの収穫は決してゴールではなく、最終の目的は、丹念に育てたアロエを原料に、良質の化粧品や健康食品を製造してお客様にお届けすることです。アロエ栽培から化粧品・健康食品製造まで一貫して自社生産にこだわり、あらゆる過程でも丁寧に手間を惜しまないのが、東京アロエのこだわりだそうです。こうして収穫されたアロエの葉は、専用施設で乾燥させた後、工場に運ばれ化粧品やサプリメントに加工されるのです。